「戦略と戦術」とよく言われます。
経営の組み立てにおいて重要な意味をもっていますが、どのように違うのでしょう。
詳しくは『知っておきたい「豆知識」』で説明していますが、
戦略とは
計画(目標)を達成するための「方向」
戦術とは
計画(目標)を達成するための具体的「手段」
具体的な例では、
100万円の売上を実現する。・・・戦略
そのために「セール」を実施する・・・戦術
このようになります。
よくある間違いは、戦略と戦術が「曖昧」になることです。
何が戦略で戦術なのかがはっきりせず、正しく経営方針の判断ができなくなってしまいます。
原因は、戦略と戦術の違いを理解できていないために、経営の組み立てが曖昧になっているのです。
経営の組み立てを示すのは「事業計画」です。「戦略と戦術」が明確になっていない事業計画は、具体性に欠け問題が起きます。
戦略と戦術に具体性が無ければ、どのような問題が起こるのでしょう。「方向や手段」がはっきりしていないため、
有事のときに事業は状況の変化に対応できず流されていきます。結果として、理論的で正確な判断ができなくなります。
具体的な戦略と戦術を立て事業計画を策定することは、経営の骨格を作ることでもあるのです。
前項では事業計画を立て、戦略と戦術を明確にする重要性を説明しました。
より具体的にするために、具体的な計画をスケジュール化する必要があります。
戦略と戦術を具体的に考案することで、事業の中身がより可視化できるからです。
「ここまでする必要があるのか?」との意見もあります。
しかし、具体化する一番のメリットは何なのでしょう。それは、事業が計画とおりに進まなかった場合の「原因」が判るのです。
どこにズレがあり、何に問題があるのかが分かるようになります。
思いつきや気まぐれを否定する訳ではありません。
可視化できる計画は、数値的な差異(売上、利益等)が発生したときの原因を明確にさせる有効な手段なのです。
「仕事の精度を上げる」・・・よく使われる言葉です。
「精度が上がる」ということは、前回よりも内容が向上していなければいけません。
同じ仕事の結果において、前回より良くなっている現象を表しています。
事業も同じです。事業の精度を上げることで、増収増益を目指します。
そのためには、結果の検証と修正を繰り返す必要があります。
・どこに問題があったのか
・どのようにすれ改善できるのか
・何をどのように変えるのか 等
精度を上げるためには、結果の検証と修正が不可欠です。これが分析力なのです。
「どのように解決していくのか」という方法は、経営資源の「ノウハウ」です。
このように「事業計画」「戦略と戦術」「結果の検証と修正」は、
経営の「管理されている状態」を維持し解決策を見出していくために必要なのです。
問題や課題の解決は、決して経営者や管理者だけでできる仕事ではありません。
全ての業務を経営者や管理者が行っているのであれば話は別です。
企業活動には従業員が必要であり、従業員はほとんどの仕事に関わっています。
だからこそ、従業員がレベルアップすることは経営の将来に影響します。
従業員は大切な「人」という経営資源であり、今までの話しの内容とは別次元で難しい仕事です。
従業員を大切にしない会社は、人の入れ替わりも激しく問題も多く発生します。
愛社精神もモチベーションも低く、仕事・給与・時間に対する「割り切り傾向」が強くなります。
本当に必要な「労使の相互理解と協力」が生まれないからです。
逆に従業員を大切にする会社は、互いの信頼関係が強く自然と個人の能力はレベルアップします。
離職率も低く高い成果が期待できます。
また、社外からの評判も高く会社に対する協力姿勢が違うために、レベルの高い社風が生まれ「人材」から「人財」へ価値が変わります。