経営のバランスとは、どのような内容なのでしょう。
前述した「よくある問題、課題」に重要な意味があります。
その前に「経営資源」について理解しておきましょう。
経営資源については、『知っておきたい「豆知識」』で説明していますが、会社がもっている経営の「エンジン」です。
この「エンジン」が経営の質と量を左右します。
前述した「よくある問題、課題」の要素そのものが、経営資源であり比較すると以下のようになります。
言い換えれば、経営の要素である経営資源のバランスを整えれば、「よくある問題、課題」のリスクは減少する方向に変化します。 経営状況を把握・コントロールする上での重要なファクターなのです。
例えば、売上が「良い、悪い」という表現をします。何に対して「良い、悪い」かが重要です。
「目標に対して」「前年と比較して」「感覚的に」等、何に対してなのかをはっきりさせる必要があります。
いずれにしても、売上は利益の根源です。売上が損益分岐点を下回ると、事業は赤字になります。
しかし、何に対してなのかを把握しておかなければ経営の実態がわかり易いとは言えません。
このように売上だけではありません。全ての経営要素において実態をわかり易く把握することが重要であり、「管理されている状態」なのです。
分析力は経営に不可欠な能力です。
しかし、「分析ばかりせずに結果を出せ!」と言う人がいます。
仮に分析せずに結果をだせたとしても、業績が低迷したときは原因を見つけることができません。
業績に関わらず、常に分析を続けることが「好調、不調の原因」の把握になります。
同時に「管理されている状態」であるために、次の施策が見いだせるのです。
分析は売上、利益だけではありません。
人、物、金、情報、ノウハウの「経営資源」を管理する必要があります。
そして、バランスを保ち続けることが有事のときに対策を見出してくれるのです。
ポイントは ①細かく整理する ②根気強く継続する に尽きます。
手を抜いてしまうと、見えているものが見えなくなり、判断基準が理論的ではなく感覚的になってしまうからです。
完璧な人などいません。経営も完璧などありえず、常に問題や課題は発生します。
「今がベスト、自分は正しい」と思い込んではいけません。
経営のバランスを把握していなければ、分析力もなく自信過剰になり判断を誤りやすくなります。
好調や不調にかかわらず、「仮にこのようにすれば、どうなるだろう?」と考えることを忘れてはいけません。
経営のバランスを整え、わかり易くすれば「仮に・・・」と考えたときにメリットやデメリットが想像できます。
このように「管理されている状態」であれば、「今がベスト、自分は正しい」とは考えないようにもなります。
理由は見えないものが見えるようになるため、現状に満足せず可能性を追求しようとするからです。